シュプリンガー・イーブックス 著者の声:東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授 大津 元一 先生

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Springerから多くの著書を出版されている、東京大学工学部の大津元一教授にお話を伺いました。新刊"Dressed Photons"の紹介のほか、著者から見た電子出版の利点やその効果についてお話しいただいています。ドレスト光子が光を発する様は必見です。ぜひ動画でもご覧ください。


研究成果の普及を最大限化でき、復刊した名著は新刊と同様に再び活用される。電子書籍の最大のメリットであろう

Q.新刊Dressed Photonsについて教えてください

今回の著書は、ドレスト光子といわれる少し変わった小さな光の原理やその応用を説明しています。非常に小さな物質に光を当てると、その表面にドレスト光子と言われる、小さな粒のような光が出ます。ある種新しいタイプの光です。このドレスト光子を使った加工や部品について、例えば太陽光を電気に変えるとか、LED、新しいタイプのレーザー、さらには情報セキュリティ、つまり安全安心に使えるとか、様々な応用を説明しています。(図1,2)

Q.多くの著書が電子書籍として出版されていますが、どのような点を評価されますか?

電子書籍が流通するようになって、強く感じたことがあります。通常、書籍に図を掲載しますが(図3)、これが動画だったりアニメだったりしたら、どんなにいいだろうと思うことがありました。電子書籍になると、色々なタイプの資料が載せられますので、視聴者に対する情報発信という点で非常に助けになると思います。それから、一般読者の方が書店で手に取って見るのではなく、Webでリンクを経由しどんどん利用されます。そうすると、意外な読者の方が私達の本を見てくれることがあります。冊子体は印刷部数が限られていますが、電子版ならば、ほとんど無限大かもしれません。世界中の多くの読者を獲得できること、それによって私達の研究成果の普及が最大限化されるというのは、大きなメリットだと思います。

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Q.過去の著書もシュプリンガー・ブック・アーカイブとして復刊しました。

世の中には、古典的な名著が数あります。そういったものは探そうと思っても、国会図書館にあるかないか、という程度です。電子版ならば非常に簡単に復刻することができます。シュプリンガー・ブック・アーカイブは最近できたとお聞きしました。私も何冊かシュプリンガーから出版していますが、1998年に書いたタイトルは既に絶版になっていました。これがこの間電子版で復刻され、非常に嬉しかったです。過去の本を読みたいという人が何人もいますから。
電子書籍の普及によって、絶版だった名著と言われるものが新刊と同様の扱いで、今後再び活用されていくことも、非常に大きなメリットなのではと思います。

Q.利用者の視点から見るといかがでしょうか?

まず、本の数が増えると荷物が重くなりますが、電子書籍になればどこにいっても、情報端末さえあれば読めます。利便性という点、環境の変化に対応しやすいのではと思います。授業に使われる参考書や教科書に関しては、例えば先生から事前に読むようにと、その本のURLを教えてもらえれば予習ができます。予習をするとしないとでは、授業での理解力が全然違いますので、電子書籍を使うのは非常に大きなメリットだと思います。私は読者の立場でもあるわけですが、若い時から非常に数多くの本を読んできました。勉強のために本を読むということは、だいたいそこに書いてある参考書を確認して、それを図書館に探しに行き、どんどん読み進めていくという作業があります。電子書籍の場合ですと、参考書へのリンクが張ってありますよね。だからその場ですぐ参考書が読めることは、それだけでも読者にとって大きな利点ではないかと思います。


*  所属、タイトル、研究内容や製品名はインタビュー当時のものです。