[お知らせ] 薬学図書館(書誌)に「シュプリンガー・ネイチャーのオープンアクセス推進活動と、日本での転換契約の成立に向けた取り組み」の記事を公開

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シュプリンガー・ネイチャーのOA出版、OA出版がもたらすインパクト、ゴールドOAとグリーンOAの比較および転換契約について概説する記事がオープンアクセスで公開されました。

2022年6月13日

  • タイトル:シュプリンガー・ネイチャーのオープンアクセス推進活動と、日本での転換契約の成立に向けた取り組み(Springer Nature’s Activities to Promote Open Access and Initiatives to Establish a Transformative Agreement in Japan)
  • 著者:遠藤 昌克(Endo Masakatsu)、シュプリンガー・ネイチャー、インスティテューショナル・セールス、ビジネスディベロップメント・ディレクター
  • 言語:日本語
  • 掲載誌:薬学図書館 2022 年 67 巻 1 号 p. 13-19
  • URL: https://doi.org/10.11291/jpla.67.1_13

上記のURLからどなたでも無料で記事をご覧いただけます。

オープンアクセス(OA;Open Access)で出版される論文数は急速に増加しており、シュプリンガー・ネイチャーでは、当社のハイブリッドジャーナルの機関購読費用の一部と OAで 出版するための費用である論文掲載料(APC;Article Processing Charge)を組み合わせる転換契約(TA;Transformative Agreements)を国家レベルおよびさまざまな機関と締結しています。転換契約は、研究成果への迅速なアクセス、共有および利用を保証するゴールド OA 出版による論文数を飛躍的に増加させる効果的なモデルと考えられており、研究成果の国際的な発信力を高めるためにも、日本における導入に向けて積極的な検討が期待されます。

本記事は、第 22 回図書館総合展フォーラム(2021年11月30日)で発表された内容をもとに執筆されました。ウェビナーでは、当社がアジア太平洋地域では初めて締結したオーストラリア大学図書館員協議会(Council of Australian University Librarians : CAUL)との転換契約をご案内したほか、当社の転換契約の基本的な仕組みや、日本での転換契約の成立に向けた課題などについて説明を行いました。

図書館総合展2021_ONLINE_plus: シュプリンガー・ネイチャー オンラインセミナー 「アジア・パシフィックにおける初の転換契約と日本へのインパクト」


シュプリンガー・ネイチャーは、オープンリサーチに重点的に取り組み、研究者、研究機関、資金助成機関に対し、世界最大規模のOAジャーナルのポートフォリオを提供しています。

ライフサイエンスから人文科学まで、あらゆる学術分野においておよそ600誌の完全OAジャーナルを出版するだけでなく、また1,900誌を越えるハイブリッドジャーナルを有し、OA出版の選択肢を提供しています。

シュプリンガー・ネイチャーは、信頼性が高く、豊富な知見を与える研究を重視しています。それにより、新たな分野の知識の育成をサポートし、全世界のアイデアと情報へのアクセスを可能にしています。


転換契約(TA:Transformative Agreement)について

シュプリンガー・ネイチャーは、これまでオーストリア、オーストラリア、コロンビア、エジプト、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、イタリア、アイルランド、ノルウェー、オランダ、ポーランド、カタール、スイス、スペイン、スウェーデン、英国と国家レベルの転換契約を結んでいます。(参照:OAファクトシート

定義:転換契約では、参加機関が、ジャーナル購読型(閲覧)アクセスとOA出版の費用(論文掲載料、APC:Article Processing Charge)を組み合わせられるようになっています。転換契約では、OAの費用と運営管理を行うだけでなく、著者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法も示しています。

解説:転換契約のもとでは、購読型アクセスとOA出版が、機関コンソーシアム全体で、1つの購読・出版契約にまとめられます。すなわち、当該コンソーシアムの参加機関の研究者は、「ゴールド」オープンアクセスモデルにもとづいて出版ができるだけでなく、購読型ジャーナルの論文にもアクセスできることになります。シュプリンガー・ネイチャーは、ほかの出版社に先駆けて、このような契約をオランダのVSNU(Vereniging van Universiteiten;オランダ大学協会)と2014年に初めて締結しました。この契約により、参加機関にとっても、所属研究者にとっても、OAの運営管理が容易になりました。さらに、より広範な研究者たちが、研究の発見性の向上、引用回数の増加、OAコンテンツの利用増加といった恩恵を享受できるようになり、OA資金が不足しているという問題をかかえる一部の研究領域では、その解決にもつながります(APCの一元管理により、参加機関に属する研究者なら誰でも、学術分野に関係なくOA出版が可能になります)。転換契約ではまた、研究者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法を示しています。

オープンリサーチに関する基礎や用語解説(日本語)は、「オープンリサーチとは?基本コンセプトと取り組み」、シュプリンガー・ネイチャーのオープンアクセス契約については、「シュプリンガー・ネイチャーのオープンアクセス契約」をご覧ください。

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