シュプリンガーネイチャーにおけるオープンリサーチの歩み

OR Timeline 2020 © Springer Nature 2020

シュプリンガーネイチャーは、ドイツのProjekt DEALと、これまでで最大規模の転換契約を締結しました。この契約により、ドイツの研究コミュニティ全体の研究者や学生は、シュプリンガーネイチャーのジャーナルへのオープンアクセス(以下OA)出版サービスと全文アクセスを利用できるようになりました。OA移行における大きな前進であり、ドイツの研究成果を世界の研究者に向けて、より高い可視性、インパクト、効率性、透明性、持続可能性をもって発信することを可能にしました。

OA書籍出版においても重要な節目を迎え、1000冊目のOA書籍を出版しました。ポートフォリオ全体で1億件以上のチャプターダウンロードを達成し、学術書籍にOAオプションを提供することで、世界中の読者が即時かつ無料でアクセスできるようにし、研究の発見をさらに促進しています。

さらに、北米で最大規模の転換契約に向け、カリフォルニア大学(UC)と覚書(MOU)を締結しました。これは米国におけるシュプリンガーネイチャー初の契約であり、米国でOAの勢いが増していることを示すものです。この契約により、米国の資金で行われた研究が、世界中でより迅速に、可視性・利用性・再利用性・再現性を高めて公開されることが可能になりました。現在、シュプリンガーネイチャーは世界で最も多くの転換契約、OA契約を保有する出版社となっています。

シュプリンガーネイチャーは、転換ジャーナル(Transformative Journals, TJs)という新しい出版モデルを先駆的に導入することで、OAへの移行を推進し続けています。転換ジャーナルは、OAへの移行を加速する新しい方法として当社が2019年5月に提案し、2020年にcOAlition Sによって採用されました。転換ジャーナルは、OAの利点を積極的に促進して採用を増やす一方で、資金状況に関わらず、ジャーナルへの投稿を希望するすべての著者を支援します。

OR Timeline 2019 © Springer Nature 2020

2019年、シュプリンガーネイチャーは10万本以上のOA論文を出版し、一次研究における最大のOA出版社となりました。シュプリンガーネイチャーが発行するコンテンツのうち30%がOAであり、世界で公開される即時OA論文のうち20%がシュプリンガーネイチャーから発行されています。同社は現在、600誌以上の完全OAジャーナルと、OAオプションを提供する2,200誌以上のジャーナルを擁しています。

OR Timeline 2018 © Springer Nature 2020

In Reviewは、ジャーナルへの投稿および査読プロセスに、早期共有と査読の透明性向上を統合した革新的なサービスとして開始されました。これにより、著者は研究成果をより早く共有し、原稿の進捗状況をリアルタイムで確認できるようになりました。

シュプリンガーネイチャーのOA書籍プログラムは、500冊目となるOA書籍の出版や、累計3,000万件のチャプターダウンロードなど、数々のマイルストーンを達成しました。

OR Timeline 2017 © Springer Nature 2020

2017年4月、研究者がデータセットをより引用しやすく、共有しやすく、検索しやすくするための支援サービスResearch Data Supportが開始されました。このサービスは、データを安全にアップロードできるポータルを提供し、専門のリサーチデータエディターがデータとメタデータを精査・改善します。シュプリンガーネイチャーのジャーナルに原稿を投稿する著者、またはすでにシュプリンガーネイチャーや他の出版社で研究を発表した著者であれば、誰でもこのサービスを利用できます。

さらに、シュプリンガーネイチャーは、データの発見と再利用を促進するため、参考文献リストを公開する最大の学術出版社となったことを発表しました。Crossrefと緊密に連携し、すべての学術書籍と自社ジャーナル(学会パートナーにはオプション)における参考文献リストのメタデータを公開しています。これらの参考文献は、Crossref Metadata APIsやMetadata Searchを通じて利用可能で、DOIとの照合を行う「Link references」ツールも含まれています。    

また、Nature ResearchはOA誌のラインアップを拡充し、質の高い選択型OA総合ジャーナルとして、Communications BiologyCommunications ChemistryCommunications Physicsの3誌を新たに創刊しました。高品質なOAの選択肢に対する需要は過去最高に達しており、今後も成長が見込まれています。最近のシュプリンガーネイチャーの著者約8,000人を対象とした調査では、回答者の67%が「OAは学術・科学出版の未来である」と賛同、または強く賛同しています。

OR Timeline 2016 © Springer Nature 2020

研究、資金提供、出版の各コミュニティにおいて、研究データの利用可能性をより透明にするための幅広い取り組みが進められました。シュプリンガーネイチャー全体での試験運用を経て、データ共有に関する標準化されたポリシーが導入されました。この新しいポリシーのもと、複雑だったデータ利用条件を、4つのシンプルな分類に再構成しました。この方針はすでに1,400誌以上に適用されており、資金提供機関、コミュニティー標準化団体、他の出版社からも関心を集めています。さらに、ポリシー本文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開され、コミュニティー標準の改善に寄与しています。また、Research Data Allianceと協力し、業界全体でのデータポリシー標準化と実装を検討するワーキンググループも設立されました。

OR Timeline 2014 © Springer Nature 2020

2014年、Nature CommunicationsはNatureブランドで初めて完全OAジャーナルとなる大胆な決断をしたことを発表しました。同誌は2010年に、購読型とOA記事を併載するハイブリッド型のデジタルジャーナルとして創刊されましたが、この移行により、世界で最も引用されるOAジャーナルとなりました。Research Information Network (RIN) による独自の統計分析では、Nature Communicationsに掲載された論文のうち、OA論文は購読のみの論文に比べて閲覧数が3倍多いことが示されました。また、OA論文は購読記事よりも引用される頻度が高いことも明らかになっています。この他にも、2014年は新しい取り組みが相次ぎました。

  • Scientific Data創刊: 研究データの記述を公開し、引用可能にすることで、データセットの可視性と再利用性を高めるための出版プラットフォームを提供。
  • Nature Partner Journalsの開始:世界有数の研究機関やパートナーと提携し、高いインパクトを持つジャーナルを発行。
  • ゴールドOAへの移行を支援するため、新しい資金サポートサービスを開始: 著者が利用可能な資金情報を確認し、資金申請のサポートを受けることができる無料サービス。

  • OA書籍への対応と新しい出版形態:変化する政策環境を支援し、OA書籍への関心の高まりに応えるため、SpringerとPalgrave Macmillanは、書籍の章単位でのOA出版が可能に。また、初のOA版Palgrave Pivotも刊行。

OR Timeline 2012 © Springer Nature 2020高まる需要に応え、SpringerOpenのポートフォリオにOA書籍が加わりました。続いて2013年にはPalgrave Macmillanも参入し、同年にはWellcome Trustの資金提供を受けた初のモノグラフを出版しました。

この時期、当社はオープンリサーチを支援するポリシーをさらに強化しました。2012年1月、Springerはハイブリッド型OAの選択肢であるOpen Choiceを、SpringerOpenやBMCの完全OAジャーナルと同じ基準に合わせ、標準ライセンスとしてCC BYを採用しました。Palgrave Macmillanも、ジャーナル論文、Palgrave Pivots、モノグラフにわたるまで、CC BYの提供を開始しました。

OR Timeline 2010 © Springer Nature 2020

2010年にSpringerOpen が誕生し、著者が完全OAで論文を発表できるジャーナル出版プログラムを提供し始めました。同時期にNature Communicationsも創刊され、Natureブランドのジャーナルとして初めてオプションでOAを提供するという重要な一歩となりました。その直後、2011年にはScientific Reportsが創刊されました。また、Palgrave MacmillanのジャーナルにもOAの選択肢が導入されました。

OR Timeline 2005 © Springer Nature 2020

常に研究の革新を追求してきたNature Publishing Group(現在のNature Portfolio)は、2005年に初の完全OA誌、Molecular Systems Biologyを創刊しました。2006年から2007年にかけて、Nature Portfolioはオープンポリシーの整備を進め、2007年には6か月のエンバーゴ付きセルフアーカイブポリシーを導入し、同年にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスも採用しました。

OR Timeline 2004 © Springer Nature 20202004年初頭、OAとSTM出版をめぐる議論が最も盛り上がっていた時期に、Springerは購読型ジャーナルでOA出版を希望する著者に対応できる仕組みを検討し始めました。当社の文化の一部である「実験精神」に基づき、Springer Open Choiceが誕生しました。現在では、シュプリンガーネイチャーの1,900以上のジャーナルがOAで出版するかどうかを選べるオプションを提供しています。

OR Timeline 1998 © Springer Nature 2020OAが始まったばかりの頃、1998年8月にBioMed Central (BMC) が、初の商業OA出版社として設立されました。最初のBMC論文は2000年7月19日に公開されました。