2019年2月15日:シュプリンガー・ネイチャー ニュース 2019 No.2

今月のトピック

1. ネイチャー・リサーチ 2020年創刊タイトル

  2020年より、ネイチャー・リサーチのポートフォリオに新しくNature Food、Nature Cancer、Nature Reviews Earth and Environment が加わります。

シュプリンガー・ネイチャーは、世界的な問題に対処するためにサイエンスが果たす役割は重要と考えています。例えば、世界の人口は2050年までに100億人に達するといわれており、食糧問題は喫緊の課題です。がんの症例は、2018年に1810万件であったのが2040年には2950万件に増加すると予想されています。新しいジャーナルは、これらの問題に関連した重要な発見や科学的な進歩をサポートします。

Nature CancerおよびNature Reviews Earth and Environment のホームページがリリースされています。ぜひ利用者にご案内ください。

プレスリリース(英語)

2. KBART形式による所蔵データ自動フィード機能の提供開始

シュプリンガー・ネイチャーは今後、ナレッジベースとディスカバリーサービス向けのKBART Automation (KBART形式での電子所蔵データ自動更新) をお客様に提供します。

KBART Automationは、図書館や研究機関にとって非常に実用的なサービスであり、図書館員の手作業を最小限に抑えた業務プロセスの効率化を促します。現在、シュプリンガー・ネイチャーでは、SpringerLinkコンテンツのKBART AutomationをOCLCならびにEx Libris社のSFXやAlmaにて実装できるようにしています。Nature.comコンテンツのKBART Automationも現在開発中であり、シュプリンガー・ネイチャーの所蔵データが自動更新されるスムーズなソリューションへの道が開かれます。

図書館では、ディスカバリーサービスを活用し、利用者がライセンス対象コンテンツを容易に検索し、アクセスできるようにしています。通常、タイトルリストのアップロードや管理は、図書館員が手動で行っていますが、この作業には手間がかかり、図書館員が利用するディスカバリーサービスと出版社のコンテンツプラットフォームとの間でアクセス情報の不一致が生じる可能性もあります。革新的なサービスであるKBART Automationの提供を通じ、シュプリンガー・ネイチャーは、コンテンツへアクセスする顧客体験の効率化を実現します。近く公開される米国情報標準化機構(NISO)のKBART Automation作業部会の推奨指針を利用することで、シュプリンガー・ネイチャーは、図書館ごとの所蔵データをディスカバリーサービスに毎週自動で送信できるようになります。

図書館の管理者が一度設定するだけで、シュプリンガー・ネイチャーから図書館のナレッジベースとディスカバリーサービスに図書館ごとの所蔵データフィードが自動的にアップロードされるため、図書館員にとって利便性が高まります。顧客は、シュプリンガーの図書館管理者用ポータルにログインし、機関のトークン(引換券)を取得し、ディスカバリーサービスにその情報を送信します。すると、機関のライセンス対象コンテンツが自動的かつ正確にディスカバリーサービス上でアクセス可能になります。これによって、ライセンス対象のシュプリンガー・ネイチャーコンテンツのリストや、タイトルごとに図書館員が手動で管理する必要がなくなります。

シュプリンガー・ネイチャーのメタデータ担当マネジャーであり、NISO KBART常任委員会の共同委員長 を務めるノア・レビン は次のように語っています。「図書館員にとって、全ての出版社の全購読物の全タイトルリストをディスカバリーサービスに手作業で取り込むのは気が遠くなるような作業であり、時間がかかるだけでなく、全タイトルが果たして正確に網羅されているのかという不安が拭い切れません。KBART Automationは、この業務を、図書館員による手作業を最小限に抑えた簡単かつ効率的なプロセスへ根底から変えます。同時に、『アクセス可能なコンテンツは何か』という長年の疑問に対する答えがすぐにわかるようになります。このように、図書館員ならびに関係者全員に多大なメリットをもたらすKBART Automationを今ここに提供できることを大変うれしく思います」

テネシー大学チャタヌーガ校図書館の電子リソース・逐次刊行物担当 図書館員であり、NISO KBART Automation作業部会のメンバーを務めるチャーリー・レミー氏は、Ex Libris社のAlmaサービスの利用者であり、KBART Automationの積極的な支持者です。レミー氏は次のように述べています。「シュプリンガー・ネイチャーのような大手出版社が、Ex Libris社のAlmaシステムでのKBART形式による所蔵データ自動フィード機能をサポートするというのは素晴らしいことです。これによって、テネシー大学チャタヌーガ校図書館が所有するシュプリンガー・ネイチャーのジャーナルや電子書籍の所蔵データの精度と網羅性が格段に高まり、その結果、エンドユーザーによるコンテンツ全文へのアクセスを促進します。これは図書館、コンテンツプロバイダー、ディスカバリーサービスのいずれにとって有益なものです」

米カリフォルニア州の大学図書館コンソーシアム(SCELC)のライセンス業務担当ディレクター であり、NISO KBART Automation作業部会のメンバーを務めるジェイソン・プライス氏は次のように語っています。「KBART Automationは、特異性を生かして精度を高めています。事後の調整を要する、一般的で少数にしか適合しない複数のメタデータセットを手作業で交換するのではなく、プロバイダーごとにアクセス可能なコンテンツを網羅する顧客ごとの単一のリストを提供します」

KBART Automation作業部会について

KBART Automation作業部会は、KBART形式による所蔵データの自動更新に関する提言の公表を目的として、2017年に米国情報標準化機構(NISO)によって設置されました。現時点で公表されている指針がないため、NISOの作業部会の目標は、KBART形式による所蔵データの自動更新をディスカバリーサービスに提供する方法について、必要かつ明確な指針を出版社に提供することにあります。近く正式公開予定のNISO KBART Automation作業部会の推奨指針案が、先日一般の意見を募るために公表されました。

米国情報標準化機構(NISO)について

メリーランド州ボルチモアを拠点とする米国情報標準化機構(NISO)は、研究や教育で使われる情報の信頼性を確保するため、情報の創出、持続的な管理、効果的な交換を容易にする標準規格の策定と維持管理を促進しています。NISOでは、この使命を果たすために、図書館、出版社、情報収集会社、さらには知識の創造、体系化、管理、キュレーション(収集・選別・提供)を通して、教育や研究、学問を支援するそのほかの組織と連携しています。NISOは、関連するコミュニティと協力しながら、情報の標準規格のライフサイクル全体にわたる取り組みを行っています。NISOは、米国規格協会(ANSI)公認の非営利機関です。NISOに関する詳細情報はwww.niso.orgをご覧ください。

プレスリリース(英語) ※本プレスリリースの原本は英語であり、以上の日本語は参考翻訳です。


さらに詳しく

3. Intelligent Technology and Roboticsコレクション インタビュー日本語版公開

2019年、Springer Nature eBooksにIntelligent Technology and Roboticsコレクションが新たに加わりました。

同コレクションリリースに際し、フェデリコ2世・ナポリ大学のBruno Siciliano氏がコメントを寄せています。同氏の著書の1つである、Springer Handbook of Robotics (2016年、第2版)は2017年にSpringerLinkで最も多くダウンロードされたタイトルです。

この度日本語版を公開しましたのでぜひご一読ください。また、シュプリンガー・ネイチャーの編集者が同コレクションをリリースした背景についても同様に日本語版を公開しています。

記事1:「これが未来です」Bruno Siciliano教授と垣間見るロボティクスの進化

記事2:スマートシティから自動運転車まで: シュプリンガー・ネイチャーの新しいイーブック・コレクションが展望する未来

4. Nature、インタラクティブな周期表サイトを公開

1月号でもお伝えしましたが、2019年は、ドミトリ・メンデレーフが元素の周期律を発見してから150周年の記念すべき年にあたります。また、様々な元素の質量、同位体存在率、元素名などを決定してきた国際純正・応用化学連合(IUPAC)が設立100周年を迎えます(iypt2019のHPより抜粋)。

今月、Nature は、インタラクティブな周期表サイトを公開しました。それぞれの元素をクリックすると、ネイチャー・リサーチのエディターが選んだ論文やcommentaries、ビデオなど、その元素にちなんだトピックをお届けします。

インタラクティブな周期表サイトへ
Nature 周期表特別コレクション

5. Nature Masterclass Onlineをご存じですか?     

 シュプリンガー・ネイチャーでは、Nature Masterclassesという、ネイチャー・リサーチの編集者が直接指導する論文執筆ワークショップをご提供しています。執筆ノウハウはもちろん、世界的なトップジャーナルの出版プロセスについて解説します。

昨今のオンライン講座の人気の高まりを受け、昨年オンラインでも利用できる講座が開講しています。Nature Masterclassesは、パソコンやスマホさえあれば手軽にアクセスできるこのオンラインコースと、講師が直接貴学に伺い開催する従来のワークショップの2タイプからお選びいただけます。
Nature Masterclassesについてさらに詳しく

また、シュプリンガー・ネイチャーでは英文校正サービスも展開しています。英文校正のほか、学術翻訳、作図サービスなどを通じて多忙な研究者の皆様をサポートしています。現在、機関単位でご契約いただくと全サービス10%の割引をご提供しています。
校閲サービス等についてさらに詳しく(英語)

お見積りやご質問は、お気軽にシュプリンガー・ネイチャーまでご連絡ください。