2023年6月23日:シュプリンガーネイチャー・ニュース No.6 / 2023 転換契約最新情報

1. 転換契約最新情報

今月、シュプリンガーネイチャーは、転換契約に関する最新データをまとめました。主な調査結果は以下の通りです。

  • 2022年、シュプリンガーネイチャーのハイブリッドジャーナルに掲載された転換契約によるOA論文は、転換契約に参加していない機関の著者によるOA論文よりも3倍速いスピードで増加しました(2021年との比較)。
  • 2017年以降、転換契約数の増加により、シュプリンガーネイチャーのハイブリッドジャーナルから出版されたオープンアクセスのコンテンツは40%近く増加しました。
  • 転換契約は、人文・社会科学分野の著者にとっても、オープンアクセス出版を可能にする有効な手段であることが明らかになりました。シュプリンガーネイチャーのハイブリッドジャーナルに出版された人文・社会科学分野のオープンアクセス論文の90%以上は、転換契約を介して出版されていました。これは、転換契約を介さずに出版された人文・社会科学分野のオープンアクセス論文を上回る速度で増加しており、2017年以降、20%増加していることが明らかになりました。

さらに詳しく(日本語プレスリリースへ)

シュプリンガーネイチャーのCEOであるFrank Vrancken Peetersは、6月6~7日に開催された第16回ベルリンオープンアクセス会議(OA2020主催)で、転換契約が果たす役割について講演しました。講演では、転換契約がオープンアクセス化への速度をさらに早めていることについて、具体例をもって触れています。

講演サマリー

また日本では、今週6月21日にジャパン・オープンサイエンス・サミット2023において、「オープンアクセス(OA)の発展と転換契約:大学図書館、リサーチ・アドミニストレーションと出版社の視点」を開催しました。こちらは2023年1月に開始された日本のパイロット転換契約について、半年後の今、どのような変化があったかを大学図書館、URA、出版社の立場からそれぞれ報告しました。7月21日まで録画を配信していますのでぜひご覧ください。

録画を視聴

2. イーブック お薦めタイトルリスト

農学(2023年4月現在)

編集部による選書に加え、さらにダウンロードや引用データを考慮して50タイトルをセレクトしました。以下のブックシリーズを含みます。

農学分野タイトルリストダウンロード

食品科学(2023年4月現在)

編集部による選書に加え、さらにダウンロードや引用データを考慮して40タイトルをセレクトしました。以下のブックシリーズを含みます。

食品科学タイトルリストダウンロード

工学(2023年5月現在)

ダウンロードや引用データを考慮し、工学における主な下位分野である以下の5分野をセレクトしました。各タイトルは互いに補完し合い、様々な領域をカバーしています。

  • 生物・物理工学
  • 土木工学
  • 電気・電子工学
  • 数学・計算工学応用
  • 機械工学

工学タイトルリストダウンロード

工学分野については、上記リストでカバーされている工学コレクションの他、工学とコンピュータ・サイエンスにおける最先端のトピックを扱うSynthesis Collection of Technologyがあります。

シュプリンガーネイチャーが出版するイーブックのタイトルリストは、ホームページからダウンロード頂けます。キーワードなど、具体的なご要望に応じたタイトルリストもご提供しています。

タイトルリストを依頼

3. 白書:コラボレーションをめぐる情勢の変化 - 研究協力の動向と機関の対応

近年、研究協力(コラボレーション)の状況は大きく変化しています。

コラボレーションは、個々の研究プロジェクトから、異なる研究グループや分野のイニシアチブ、さらにはパートナーシップの包括的な戦略的方向性まで、さまざまなレベルで行われています。そしてコラボレーションは、研究を大きく飛躍させるための最近のトレンドでもあります。

コラボレーションにおける、最も重要なトレンドは何でしょうか?また、どのようにすれば、将来に備えることができるのでしょうか。シュプリンガーネイチャーは、書誌学的分析と当社の専門家による洞察を組み合わせ、コラボレーションについて独自の視点を提供する白書を公開しました。研究マネジメントに従事する方、あるいは関心のある方向けです。ぜひダウンロードいただき、ご活用ください。

白書ダウンロードページへ(英語)

4. 人工知能が図書館に与える影響

AJEからの記事をお届けします。人工知能(AI)が図書館に与える影響を、1.情報プロフェッショナル、2.図書館運営、3.利用者サービス、4. データとAIリテラシー、5.図書館分析という5つの視点から探りました。

AIが情報整理、アクセシビリティ、利用者サービス、図書館分析をどのように改善できるか、また、現代社会における図書館員と利用者の両方にとってのAIリテラシーの重要性を強調しています。

AJEはリサーチスクエアの一部門であり、英文校正、学術翻訳、その他の原稿作成サービスを提供し、論文執筆における優れたサービスプロバイダです。

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