【プレスリリース】若手研究者が牽引する、研究活動におけるAIを起点とした情報の発見・探索への転換
ロンドン|ベルリン|ニューヨーク、2026年7月20日
シュプリンガーネイチャー1が発表した新しい白書『The State of AI Use Among Researchers(研究者におけるAI利用の実態)』で公開されたグローバルデータから、AI(Artificial Intelligence;人工知能)が研究過程の最も初期の段階に組み込まれつつあることが明らかになりました。また、AIは研究者が情報を探し、評価し、そして優先順位をつける方法にも変化をもたらしていることが示されています。世界中から寄せられた1万400件を超える有効回答を分析した結果、回答者の50%近くが情報収集や論文の編集にAIを頻繁に利用していると報告しており、研究活動の初期段階において、AIが研究者に価値をもたらしていることが示されました。一方で、論文の査読や投稿された原稿の採否判断にAIを利用する割合は依然として低く、これらの領域では説明責任や専門家による判断が引き続き重視されていることが示されています。
また、このデータはキャリア段階による明確な違いも示しています。キャリア初期の研究者の約48%が、情報収集や論文の改善や編集にAIを頻繁に利用していると回答しているのに対し、キャリアが確立された研究者の利用率は約34%にとどまっています2。この結果は、今後の研究の進め方がどのように変化していくのか、また、出版社が責任ある効果的なAI利用をどのように支援できるのかを考えるうえで、重要な示唆を与えています。
この最新の白書は、復旦大学(Fudan University)および上海AI科学アカデミー(Shanghai Academy of AI for Science)とともに作成され、世界中の研究コミュニティーにおけるAIに対する姿勢について、より深い洞察を提供することを目的としています。本白書は、研究コミュニティー全体で変化しつつある動向について興味深い概観を示しており、AIの導入状況を比較検討し、AIの役割が時間の経過とともにどのように発展しているかを追跡するのに役立ちます。
そのほかのおもな調査結果は次のとおりです:
- 汎用ツールが最も多く利用されている:AIツール全体の言及のうち、汎用AIモデルが75.9%を占めており、一方、執筆・編集専用のツールや文献・エビデンス検索ツールの利用は相対的に少なくなっています。
- 機関による支援は依然として限定的である:主要なAIツールに対して機関からの資金提供を受けていると回答したのはわずか11%にとどまり、大半は無料ツールを利用するか、自費で利用しています。
- AIの信頼性をめぐる懸念は依然として残っている:回答者の3分の2近くが、研究コンテンツの発見・探索におけるAIの利用について「満足」または「非常に満足」と回答しています。一方で、AIが生成する推奨事項の正確性や信頼性には依然として懸念があり、研究過程における信頼できるコンテンツと、研究用途に特化したAIツールの重要性があらためて示されました。
シュプリンガーネイチャーのChief Product OfficerであるSaskia Steinacker(サスキア・シュタインアッカー)は、次のように述べています。
「AIの導入を今後も研究者主導で進めるには、研究者がAIをどのように活用しているかを理解することがきわめて重要です。パートナーと協力し、研究コミュニティーの声に耳を傾けることで、最も効果的に貢献できる領域でツールを開発することができます。これらの調査結果は、複雑な情報の発見や探索にAIが価値をもたらすことを示すとともに、信頼、透明性、および検証の重要性をあらためて明らかにしています。」
「シュプリンガーネイチャーでは、研究に不可欠な品質、公正性、および責任を堅持しながら、研究者が研究活動をより効率的に進められるよう支援し、信頼できるコンテンツにアクセスしやすくするAIソリューションの開発に注力しています。」
これは、研究者のニーズを理解し、それに対応するためのシュプリンガーネイチャーの包括的な取り組みの一環です。同社は、AI戦略、投資、および開発について引き続き透明性をもって報告するとともに、AIハブをつうじて研究コミュニティーにガイダンスを提供しています。詳細については、シュプリンガーネイチャーの年次報告書およびメディアセンターもご参照ください。
Nature Research Intelligence、復旦大学、および上海AI for Scienceアカデミーによる白書『The State of AI Use Among Researchers』の全文は、こちらからご覧いただけます:https://www.nature.com/immersive/partnercontent/fudan/aiforscience/index.html
1. グローバルデータは、2026年3月に実施されたシュプリンガーネイチャーの調査『The State of AI Use Among Researchers』にもとづいています。この調査では、12の研究分野にわたり、117の国・経済圏から1万480件の有効回答が得られました。
2. キャリア初期の研究者は経験年数が3年未満の研究者、キャリアが確立された研究者は20年以上の経験をもつ研究者と定義されています。
シュプリンガーネイチャーは、世界をリードする研究出版社のひとつです。当社は、最も多くのジャーナルや書籍の出版数を誇り、オープンリサーチのパイオニアでもあります。180年以上にわたって信頼されてきた主要ブランドを通じて、研究者が新たなアイデアを見いだしてそうした発見を共有すること、医療従事者が医学の最前線に立ち続けること、教育者が学習を促進することを支援するテクノロジーを活用した製品、プラットフォーム、およびサービスを提供しています。当社は、当社が支援するコミュニティーとの協力のもと、知識を共有し、世界に対する理解を深めるための進歩に貢献していることを誇りに思っています。詳細は、about.springernature.comおよび@SpringerNatureをご覧ください。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース:Early-career researchers lead shift towards AI-first discovery in research workflows