【プレスリリース】シュプリンガーネイチャーとアフリカの主要科学アカデミー、アフリカ全域で初の研究公正調査を開始
ロンドン|ベルリン|ニューヨーク、2026年 8月20日
シュプリンガーネイチャー、アフリカ科学アカデミー(AAS:African Academy of Sciences)、および南アフリカ科学アカデミー(ASSAf:Academy of Science of South Africa)は、アフリカ全域の研究者を対象に、研究公正に関するトレーニングや支援の経験を調べる初の大規模調査を開始しました。
この取り組みは、研究公正が各国・地域の研究システムの中でどのように教えられ、支援され、根づいているのかを明らかにするものです。特に、アフリカの研究者の視点を、世界的な議論に反映させることを目指しています。このパートナーシップでは、研究公正をめぐって研究者コミュニティーと対話を重ねてきたシュプリンガーネイチャーの経験に、AASとASSAfのリーダーシップ、地域に関する専門知識、およびネットワークを組み合わせています。
本調査では、研究者がどのような研究公正トレーニングを受けているのか、その実施方法や扱われているテーマを調べます。また、現在の支援が研究者の役割や責任、およびニーズに合っているかも検証します。
研究公正は、信頼できる研究を支える基盤です。研究成果をさらに発展させ、政策や実践の判断材料として活用するためにも欠かせません。一方で、研究システムや地域によって、研究公正のトレーニングや支援がどのように受け止められているのかを示す知見は、依然として限られています。アフリカ全域の研究者から得られる知見は、研究者のニーズをより包括的に把握する手がかりとなります。
本調査の開始に際し、南アフリカ科学アカデミーのScholarly Publishing Programme managerであるSusan Veldsman氏は、次のように述べています。
「研究公正は、科学への信頼を守り、根拠にもとづく意思決定を支えるうえで重要な役割を果たします。シュプリンガーネイチャーおよびアフリカ科学アカデミーと提携し、この重要な調査を実施できることを歓迎します。この調査は、南アフリカの研究者が自らの経験を直接共有する機会となることが期待されます。」
「アフリカ全土の研究者は、研究公正が世界的にどのように支援されているかを理解するうえで欠かせない、独自の視点を持っています。研究者の声をデータに反映することで、どのような支援が有効なのか、どこに課題が残っているのかを把握できます。また、研究キャリアの各段階で必要とされる支援を明らかにすることにもつながります。こうした知見は、南アフリカにとっても貴重です。研究者の実際の経験を反映したトレーニングやガイダンスづくりに役立つだけでなく、研究エコシステム全体で研究公正の文化を強化することにもつながります。」
シュプリンガーネイチャーのAcademic Affairs ManagerであるVuyo Mliswaは、次のように付け加えました。
「アフリカの研究は世界の科学に大きく貢献しています。一方で、研究公正のトレーニングや支援に関する研究者自身の経験は、これまで十分に反映されてきませんでした。アフリカ科学アカデミーおよび南アフリカ科学アカデミーと提携できることを嬉しく思います。両機関のリーダーシップとネットワークは、この取り組みにアフリカの研究者の視点を確実に反映するうえで重要な役割を果たします。」
この取り組みは、世界中の科学機関と提携して実施されている、研究公正トレーニングに関する比較調査というシュプリンガーネイチャーの広範なプログラムを拡大するものです。これまでにオーストラリア、ブラジル、中国、インド、日本、米国、および英国で調査が実施され、研究公正教育に関する研究者の見解を比較検討する一助となっています。
過去7回の調査を分析した最近の白書から、研究公正トレーニングの提供状況に大きな差があることが明らかになりました。こうしたばらつきがあるにもかかわらず、研究公正教育への支持は一貫して高く、研究者の84~94%が、キャリアのいずれかの段階で研究公正トレーニングを必須とすることを支持しています。
また、調査からは、研究者がさらなる支援を求める分野に一定の傾向があることも分かりました。著者資格に関するガイダンスは、調査対象となった7か国すべてで、トレーニングニーズの上位10項目に入りました。データ関連以外のテーマで、7か国すべてで上位に入ったのはこの項目だけでした。オーストラリア、米国、英国、およびブラジルでは、研究データの管理や共有に関連する分野が特に顕著であり、回答者がさらにトレーニングを受けたいと考える上位10項目の大半を占めていました。
今回の調査は、シュプリンガーネイチャーがAfrican Research Advisory Councilをつうじて進めている研究者との対話を補完するものです。同委員会では、アフリカの研究コミュニティーが直面する優先課題や今後の課題について議論しています。
こうした議論をつうじて、アフリカの研究能力、リーダーシップ、および独立性を強化することの重要性が浮き彫りになっています。本調査では、アフリカ全域における研究公正トレーニングの提供状況に関するデータを収集します。これにより、こうした議論に貢献するとともに、今後のトレーニングや政策づくりに役立てることを目指します。
日本を対象にした研究公正に関する最新の調査に関しては、次のプレスリリースをご覧ください:【プレスリリース】シュプリンガーネイチャーによる研究公正に関する最新の調査から、研究データのトレーニングに対する研究者の需要が世界的に高まっている傾向が明らかに
本調査は2026年8月1日に開始されました。
回答内容は厳重に機密保持され、匿名で扱われます。また、結果は集計された形でのみ分析されます。調査完了後、集計結果はアフリカ大陸全体の大学、資金提供機関、その他の研究関係者に共有されます。
白書の全文はこちらからご覧いただけます。各地域の個別報告書、調査質問項目、データセットはこちらから入手可能です。
アフリカ科学アカデミー(AAS:African Academy of Sciences)は、ケニアのナイロビに本部を置く、汎アフリカ的かつ非党派、非営利の科学組織です。同アカデミーは、優れた業績を評価し、独立した政策提言を行い、アフリカ大陸の開発優先課題に取り組む科学・技術・イノベーションプログラムを支援することで、アフリカにおける科学の発展を推進しています。AASは、アフリカを代表する学者や専門家を結集し、大陸全体の研究、政策、社会的インパクトの形成に貢献しています。
南アフリカ科学アカデミー(ASSAf:Academy of Science of South Africa)は、南アフリカの公式な国立科学アカデミーであり、1996年に発足し、2001年に議会法によって設立されました。同アカデミーは、社会に役立つ、根拠にもとづいた科学的思考を促進し、公共の利益に関わる問題について独立した助言を提供するとともに、国際的な科学アカデミーのコミュニティーにおいて南アフリカを代表しています。ASSAfは、国内を代表する学者たちを結集し、卓越した研究、政策立案、および科学に対する一般市民の理解を深めることを支援しています。
シュプリンガーネイチャーは、世界をリードする研究出版社のひとつです。当社は、最も多くのジャーナルや書籍の出版数を誇り、オープンリサーチのパイオニアでもあります。180年以上にわたって信頼されてきた主要ブランドを通じて、研究者が新たなアイデアを見いだしてそうした発見を共有すること、医療従事者が医学の最前線に立ち続けること、教育者が学習を促進することを支援するテクノロジーを活用した製品、プラットフォーム、およびサービスを提供しています。当社は、当社が支援するコミュニティーとの協力のもと、知識を共有し、世界に対する理解を深めるための進歩に貢献していることを誇りに思っています。詳細は、about.springernature.comおよび@SpringerNatureをご覧ください。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース:Springer Nature and leading African academies launch first pan-African research integrity survey