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【プレスリリース】葉の穴から顔をのぞかせるイトトンボが、2026年BMCジャーナル画像コンテストで優勝

BMC

2026年 8月25日

葉の穴から顔をのぞかせるイトトンボの一種であるオレンジテイル・マーシュ・ダート(orange-tailed marsh dart damselfly)を捉えた印象的な写真が、2026年のBMC Ecology and Evolution およびBMC Zoology 画像コンテストの優勝作品に選ばれました。

毎年開催されるこのコンテストは、地球上の生命の美しさと多様性を紹介するとともに、自然界を理解し保護するために取り組む研究者とその取り組みをたたえるものです。今年、審査員は総合優勝作品と次点作品に加え、Relationships in Nature(自然界における関係性)、Protecting Our Planet(地球を守る)、およびResearch in Action(研究の現場)の3部門で、それぞれ優勝作品と次点作品を選出しました。

Overall winner(総合優勝作品):‘Window to the Wetlands’(湿地への窓)、Sritam Kumar Sethy

総合優勝作品は、インド・オディシャ州(Odisha)の淡水湿地で、葉の穴に縁取られたオレンジテイル・マーシュ・ダート(Ceriagrion cerinorubellum)を捉えたものです。この写真は、オディシャ州のバーハンプール大学(Berhampur University)の学生であるSritam Kumar Sethyが撮影したもので、自身の写真について「見過ごされがちな淡水生物多様性の世界を垣間見せてくれるものです」と説明しています。

イトトンボは、湿地生態系における重要な捕食者であり、生態系の健全性を示す指標として広く認識されています。水生と陸生の両方の生息地に依存しているため、汚染、生息地の喪失、気候変動に対して特に敏感です。

この写真を称賛し、BMC Ecology and Evolution のシニア編集委員であるDavid Ferrierは、次のようにコメントしています。 「美しく構図が整い、鮮やかなこの画像を見ると、思わず笑顔になってしまいます。このイトトンボには、驚くほどの個性と存在感があるように見えます」

BMC Ecology and Evolution およびBMC Zoology の編集長であるJennifer Harmanは、この写真は、「驚くほど多様な種を支える一方で、世界で最も脅威にさらされ、急速に失われつつある生息地の一つである湿地の重要性を浮き彫りにしています」と付け加えています。

総合次点作品は、米国オレゴン州ポートランド近郊の暗く雨の降る夜、野外で作業する2人の学生が、キタアカアシガエル(northern red-legged frog、Rana aurora)に無線発信機を取り付けている様子を捉えたものです。米国ワシントン州立大学(Washington State University)のRyan Wagnerが撮影したこの写真は、研究者が動物の移動や生息地利用を理解するために技術をどのように活用しているかを示しており、保全上の懸念がある種にとって、より安全な環境づくりに役立つ可能性があります。

Relationships in Nature(自然界における関係性)部門受賞作:‘Giant Cuttlefish in Breeding Battle’(繁殖をめぐって争うオーストラリアコウイカ)、Victor Huertas

オーストラリアのジェームズ・クック大学(James Cook University)のVictor Huertasは、南オーストラリア州アッパー・スペンサー湾(Upper Spencer Gulf)で毎年行われるオーストラリアオオコウイカ(Australian cuttlefish、Ascarosepion apama)の産卵集結期に、メスをめぐって競い合う2匹の巨大なオスの劇的な瞬間を切り取った写真で、Relationships in Nature(自然界における関係性)部門を受賞しました。この写真は、数万匹のコウイカが集まる中で、皮膚の色素を利用して交尾の機会をめぐって争う様子を捉えています。

David Ferrierは、この画像について「複雑で競争の激しい求愛行動にともなう、親密さと激しさの両方」を示していると評しています。

同部門の次点作品は、フィンランド天然資源研究所(Natural Resources Institute)のAlwin Hardenbolが撮影したもので、オーストラリアで、ズグロハゲミツスイ(noisy friarbirds、Philemon corniculatus)がチャイロオオタカ(brown goshawk、Tachyspiza fasciata)に対し、群れで捕食者を追い払う「モビング行動」を示す様子を捉えています。BMC Ecology and Evolutionのシニア編集委員であるChristy Hipsleyは、鳥類によく見られる、捕食者に対するこの防御行動を写した写真を、「白い紙にこすれた木炭の跡のようです」と評しています。

Research in Action(研究の現場)部門受賞作:Intertidal Education’(潮間帯での教育)、Liam Brennan

Research in Action(研究の現場)部門の受賞作品は、カナダのニューブランズウィック大学(University of New Brunswick)のLiam Brennanが撮影したものです。幻想的な雰囲気のこの写真は、同州の沿岸の浅瀬で、月明かりの下、その地域に生息する魚類を調査する学部生たちを捉えています。

BMC Zoologyのシニア編集委員であるEdward Narayanは、学部生に研究プロジェクトの機会を与えることは、「教室で学ぶ科学を、重要な生態・環境モニタリング研究を支える実践へとつなげる」ことができると述べています。

次点となった写真は、米国フロリダ国際大学(Florida International University)のBrandon Güellが撮影したもので、現在進行中の生態系回復プロジェクトの進捗状況を評価するための長期的な取り組みの一環として、フロリダ州エバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)で水生生物をモニタリングする研究者たちを捉えています。

Protecting Our Planet(地球を守る)部門受賞作:‘A Bridge Between Past and Present’(過去と現在をつなぐ架け橋)、Allen Tian

カナダ・オンタリオ州のクイーンズ大学(Queen’s University)の研究者、Allen Tianは、セントローレンス水路(St. Lawrence Seaway)の西端にあるロング・ソルト・パークウェイ(Long Sault Parkway)をドローンで独創的に撮影した作品で、Protecting Our Planet(地球を守る)部門を受賞しました。立体感のある構図で撮影されたこの写真には、過去のダム建設によって引き起こされた環境への影響と、保全活動によって進む可能性のある生態系の回復があわせて描かれています。

この写真は、Tianがセントローレンス水路で生物多様性調査を行っていた際に撮影されたもので、生息する野生生物に干渉することなく生態系の健全性を監視するため、環境DNAサンプリングやドローン調査が活用されました。

次点作品は、インドのMESアバサヘブ・ガルワレ・カレッジ(MES Abasaheb Garware College)のAbhijeet Bayaniが撮影したもので、インド西海岸で地域主導により進められている保全活動を紹介しています。この写真には、巣を守ってきた地元住民に付き添われながら海へ向かうヒメウミガメ(olive ridley sea turtle hatchling、Lepidochelys olivacea)の幼体が写っています。

特筆すべき作品

審査員はこのほか、特筆に値すると判断した複数の応募作品も取り上げました。その中には、エバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)の淡水源で水を飲むフロリダマナティー(Florida manatees、Trichechus manatus latirostris)の写真、絶滅危惧種であるヒマラヤヒグマ(Himalayan brown bear、Ursus arctos isabellinus)の冬眠穴の痕跡を探しながらヒマラヤの洞窟で風雨を避ける研究者の写真、そしてオーストラリアのノーザンテリトリー(Northern Territory)で樹皮の微生物群集をモニタリングしながら、林床から高い位置で作業する研究者の写真などが含まれています。

Editorial | Open access | Published: 20 August 2026

Harman, J.L., Fenton, B., Ferrier, D. et al. 2026 joint BMC Ecology and Evolution and BMC Zoology image competition: the winning images. BMC Ecol Evo 26, 64 (2026). https://doi.org/10.1186/s12862-026-02566-0

編集者向け注記

  • BMC Ecology and EvolutionBMC Zoology が共同で開催するこの画像コンテストは、BMC Ecology and Evolution 画像コンテスト(2021–2023年)およびBMC Ecology 画像コンテスト(2013–2020年)に続く、このコンテストの第3期にあたります。これまでのコンテストと同様、本コンテストは生態学者、進化生物学者、動物学者、古生物学者に、創造性を発揮して自身の研究を紹介し、芸術と科学の交差点を探求する機会を提供します。受賞作品は、両誌の編集者および各誌の編集委員会のシニアメンバーによって選出されます。
  • 応募できるのは、研究機関に所属し、生態学、進化生物学、古生物学、または動物学の分野で活動する個人に限られます。
  • BMC Ecology and Evolution (旧称:BMC Evolutionary Biology )は、生態学および進化生物学のあらゆる側面を扱う、オープンアクセスかつ査読付き学術誌です。本誌は、集団遺伝学、保全遺伝学、系統発生学、行動生態学、個体群生態学、マクロ生態学、古生物学、生物多様性(例:環境DNAアプローチ)、理論研究(例:テラフォーミング)、および生態・進化発生生物学など、幅広いトピックに関する論文を掲載対象としています。
  • BMC Zoology は、オープンアクセスかつ査読付き学術誌であり、動物学のあらゆる側面に関する論文を掲載対象としています。これには、比較生理学、メカニズムおよび機能に関する研究、形態学、生活史、動物行動、シグナル伝達およびコミュニケーション、認知、寄生、分類学、生物地理学、および保全が含まれます。
  • 受賞作品すべての画像は、クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際ライセンスの下で提供されています。このライセンスでは、「原著作者および出典を適切に明記し、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスへのリンクを掲載し、ライセンス対象の素材に改変を加えた場合はその旨を明示する限り、あらゆる媒体・形式での非営利目的の利用、共有、配布、複製が許可されます」。

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本件に関するお問い合わせ

宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com

本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。

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